LOVERSION Music レビュー

美しき音楽の世界 スペシャルガラコンサート

音楽ジャーナリスト 池田卓夫編

photo_01
photo_02
昨夜は東京文化会館小ホールでコンポーザー&ピアニストの和田七奈江さん率いる「LOVERSION TOKYO」が主宰した「美しき音楽の世界スペシャルガラコンサート」の司会を務めた。和田さんとともにオーディションで審査し、発掘した幅広いジャンルの音楽家たち10種のミニ・コンサートの競演。和田さんのソロで始まり、ロシア音楽に傾倒するピアニスト林由佳さんがラフマニノフ、スクリャービンでしっとりしたソロを奏でた後は一転、濱崎洋子さんが若手腕利き弦楽四重奏団を伴い、ピアノと編曲に大活躍。自作とショパンの五重奏で弾けた。このところ俳優の朗読とのコラボレーションで新境地を拓く樋口俊明さんは男女各2人の俳優をとともに、中国と日本のポピュラーな旋律を心優しく再現。第2部は器楽デュオ。直江香世子さんが和田さんの「11月の木漏れ日」を4手に編曲して作曲者と連弾、チェロ植木美帆さんとピアノ山口亜弥子さんのデュオはシューマンの「幻想即興曲」を美しく奏でた。直江さんはヴァイオリンの林ひかるさんと再び登場、アイルランド民謡のメドレーをフィドル風にアレンジして客席を沸かせた。直近のオーディションに合格したユーフォニウムの根本香織さんは「You raise me up !」など。金管の響きがアクセントを添えた。第3部は声楽、ソプラノの阿部朋子さん、メゾに転じた和田綾子さんがオペラのアリアも交えた華やかな時間をつくった。最後は出演者全員に安部さん指揮のコーラス(ジョイ・シスターズ)が加わり、NHKで流れている東日本大震災の復興支援ソング「花は咲く」を歌っておしまい。18時半開演、21時45分終演の長いコンサートだった。